2025.05.15
車のガリ傷は自分で直せる?直す方法とメリット・デメリットを解説

目 次
運転していて、車体をこすってしまってひやりとした経験はありませんか?車のガリ傷は、硬いものや鋭利なものにぶつかるとより深い傷になってしまうこともあります。
ほんのちょっとの傷、少し目立たなくなればそれでいいと思う場合、自分で修理することは可能なのでしょうか。本記事では、車のガリ傷を自分で修理する方法や、メリット・デメリット、業者に依頼した時の費用相場などについてまとめています。
車にガリ傷ができる原因
車のガリ傷の原因として主に挙げられるものは、運転中の不注意です。不注意に起因する6つのシチュエーションについて紹介します。原因となるシチュエーションを理解することで、車のガリ傷を回避することが可能です。
縁石や段差でこする
車にガリ傷がつく原因の一つに、縁石や段差でのこすれが挙げられます。駐車時や狭い道路での右左折時に縁石に気づかずタイヤやバンパーをこすってしまうことが多く、特に車高の低い車は注意が必要です。
車止めブロックにあたる
車止めブロックへの接触も気をつけたいシチュエーションの一つです。駐車時にバックや前進でブロックに気づかず、バンパーや車の底部をこすってしまうことがあります。
特に車高の低い車は、少しの接触でも傷がつきやすく注意が必要です。車止めの高さは9cm〜15cm程度が目安で、12cm程度の車止めを設置することが多くみられます。
狭い曲がり角で電柱やカーブミラーにぶつかる
狭い曲がり角で電柱やカーブミラーに接触するケースにも注意が必要です。特に、見通しの悪い交差点や狭い路地では、車体のバンパーやフェンダーが障害物にあたりやすくなります。また、内輪差を意識せずに曲がると、後輪付近やドアが電柱にこすれて傷がつくこともあります。
コインパーキングのロック板
コインパーキングのロック板もガリ傷の原因となりやすいです。精算前に誤って発進すると、ロック板が上がった状態で車の底部やバンパーにぶつかり、傷やへこみが生じることがあります。コインパーキングによって、車高で利用制限している場合もあります。
坂道や立体駐車場
坂道や立体駐車場での接触にも注意が必要です。急な坂道や段差のある出入口では、車のフロントバンパーや車の底が路面にこすれることがあります。特に、車高の低い車の場合は、勾配が急だとバンパー下部を強くこすってしまうことがあります。
道路へ飛び出している草木
細い路地や山道では、剪定されていない枝や草が車道にはみ出していることがあり、走行中にボディやミラーをこすって傷がつくことがあります。枝が硬い場合、深い傷になることもあるため注意が必要です。
車のガリ傷を自分で直すメリット
「車のガリ傷を自分で修理するのは大変で難しそう。」と感じる方も少なくありません。しかし、小さな傷や目立たないような場所であれば、自分で修理することを検討してみるのも一つの手段です。
修理代を安くできる
車のガリ傷を自分で直す最大のメリットは、修理代を安く抑えられることです。例えば、ディーラーに傷の修理をお願いすると、小さな傷でも数万円かかってしまうこともありますが、市販の補修キットを使えば数千円程度で修理可能です。
空いている時間に修理できる
業者に依頼すると予約や預ける手間がかかりますが、自分で直せば好きなタイミングで作業できます。短時間で済む補修なら、スキマ時間を活用できて便利です。
やりとりの手間がかからない
業者に依頼すると、見積もりや予約、入庫などの手続きが必要ですが、自分で修理すればその手間を省け、スムーズに作業を進められます。
繰り返していけば技術があがる
修理を繰り返すことで、自分の修理の技術が向上するでしょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、経験を重ねることで補修の精度が上がり、よりキレイに仕上げられるようになります。
車のガリ傷を自分で直すデメリット
自分で修理することのメリットは修理代の安さやすぐに修理できることでしたが、当然デメリットも存在します。このこともきちんと踏まえて、どう修理するか検討するようにしましょう。
失敗する可能性がある
修理方法を誤ると、傷が目立つまま残ったり、塗装が不均一になったりすることがあります。その場合、再度修理が必要になり、逆に手間や費用が増えることもあります。
クオリティが低くなる
専門的な技術や道具がない場合、仕上がりが業者に依頼した場合よりも劣り、傷が目立つことがあります。見た目に不満が残ることもあるため、注意が必要です。
傷が広がる可能性がある
専門知識がない以上は、作業中に傷が広がってしまう可能性があるということも視野に入れなければなりません。無理に削ったり塗装を間違えると、傷が深くなったり周囲に広がったりすることがあります。
車のガリ傷を自分で直す方法
車のガリ傷を修理したいと思ったら、まず損傷の状態を確認しましょう。ガリ傷の程度によって、使用するアイテムや修理方法が変わります。車のガリ傷を修理する方法とその手順について紹介します。

コンパウンドで直す方法
コンパウンドは比較的浅い傷や、水をかけると見えづらくなる程度の傷の修理に適しています。
1.洗車する
まずは、車をキレイに洗い、傷の周辺をしっかりと拭いて汚れや油分を取り除きます。この時に車体にホコリや砂などが残っていると、コンパウンドによってさらに傷が深くなってしまうことがあるため、丁寧に洗います。
2.マスキングテープで保護する
傷の周囲をマスキングテープで囲み、修理する範囲を限定します。これは、修理箇所以外の部分に傷がつくのを防ぐためです。
3.傷を磨く
コンパウンドを水で濡らしたスポンジや布につけて、傷にそってまっすぐ磨きます。円を描くように磨いてしまうとムラになってしまう可能性があり注意が必要です。途中でコンパウンドが乾いた場合は少しずつ足しながら、傷が滑らかになるまで作業を続けます。
4.液体のコンパウンドで磨いて仕上げる
新しいスポンジや布に交換し、液体コンパウンドで仕上げ磨きをします。光沢を出して完了です。
タッチペンで直す方法
タッチペンは、コンパウンドを使う場合よりもさらに小さな傷や狭い範囲の傷をピンポイントで修理するのに向いています。
1.洗車をする
車をキレイに洗い、ガリ傷の周囲を洗浄して汚れや油分を取り除きます。傷の周りにホコリや砂が残っていると、修理後の仕上がりが悪くなります。洗った後は、乾いたマイクロファイバークロスなどで完全に水分をふき取ります。
2.マスキングテープで保護する
傷の周囲をマスキングテープで囲んで、傷以外の箇所にタッチペンの塗料がつかないように保護します。
3.シリコンオフをスプレーする
シリコンオフをスプレーすることで、タッチペンの塗料を乗せたい部分から完全に油分を取り除き、塗料の付着をよくします。
4.傷を塗る
タッチペンの先端を使い、トントンと置くようにしながらガリ傷に直接塗装を塗ります。最初は薄く塗り、傷の中に塗料をしっかりと埋め込むことを意識します。塗料を数回重ね塗りし、乾かしながら塗ることで塗料の盛りすぎを防ぎます。
5.耐水ペーパーで磨く
タッチペンで補修した部分は、少し塗料が乗って盛り上がっています。耐水ペーパーで少しずつ磨いて平らにならしましょう。
耐水ペーパーは目の粗さが違うものをいくつか用意し、目の粗いペーパーから順番に目の細かいペーパーに変えながら磨き上げることで、仕上がりが美しくなります。
スプレーで直す方法
スプレーも扱いやすく便利なアイテムです。ただし、スプレーはムラになりやすいため、慎重に塗り重ねる必要があります。
手軽な分、技術が見えやすいアイテムでもあるので、広い範囲をキレイに修理したい場合には、あまりおすすめできません。ちょっとした傷隠し程度に考えておきましょう。
1.洗車する
車をキレイに洗い、傷部分を含めて汚れや油分を完全に落とします。ボディに汚れが残っているとスプレーがしっかり定着しません。
2.マスキングテープで保護する
傷の周辺をマスキングテープで囲みます。特に、塗料がついてほしくない窓枠や周囲のパーツには、しっかりとマスキングを行います。
3.耐水サンドペーパーで傷を研磨する
傷が深い場合は、耐水ペーパーを使って軽く傷を削り、表面を滑らかにします。ペーパーは水で湿らせながら使用し、傷を広げないように注意します。
4.汚れや油をふき取る
表面をキレイに磨いたら、シリコンシートを使って汚れや油をふき取ります。
5.光硬化パテを傷に塗る
光硬化パテを修理箇所に塗り、ヘラでぴったりと伸ばします。
6.耐水サンドペーパーで研磨する
5分〜10分程度パテを乾燥させ、硬化が確認できたら耐水サンドペーパーで再び磨きます。
7.数回にわけてスプレーする
スプレー塗料をよく振って均一に混ぜます。スプレーは車体から10cmほどの距離から均等に吹きかけるとキレイな仕上がりになりやすいです。液だれを防ぐため、塗装は薄く数回にわけて重ね塗りします。
8.仕上げ用のスプレーをする
仕上げにぼかし剤で境界線を目立たなくすれば完了です。
シールで直す方法
シールは傷部分に貼り付けるだけで済むため、手軽かつ安価で傷修理が可能なアイテムです。深くなく、表面的な傷の応急処置として使うのがよいでしょう。
シールはカー用品店やECサイトなどで、900〜2,000円程度で販売されています。シート状で自由にカットして使えるものから、あらかじめさまざまな形状やサイズにカットされているものがあるので、傷の状態や好みに合わせて選んでください。
まず、車体の汚れを洗車してから、マイクロファイバークロスなどで水気をよくふき取ります。そこに傷の大きさに合ったシールを空気が入らないように貼り付け、気泡やシワがないか確認しながらしっかりと押さえつけます。これだけで修理完了となります。
コンパウンド入りワックスで直す方法
ボンネットやトランクなどの平らな箇所についた、ごく細かい浅い傷の修理には、コンパウンド入りワックスが適しています。
洗車で車全体の汚れを落としてから水気をよくふき取り、クロスにコンパウンド入りワックスを少量取り、傷部分に薄く塗り広げながら磨きます。傷が目立たなくなったら乾燥させ、最後にワックスが残らないように拭きあげたら完了です。
自分で修理しないほうがよい傷
浅い傷なら自分で修理する余地がありそうですが、やはり素人が触らないほうがよい傷もあります。以下の特徴に当てはまる傷は、修理に高度な技術が必要となります。
深い傷
例えば、カラー層が剥がれてしまっていたり、下地が見えてしまったりしている深い傷や、へこみやサビが発生しているような傷は、専門的な技術と道具が必要となります。
素人修理では仕上がりが悪くなる可能性があるため、色ムラやサビ、腐食の進行を防ぐためにも、プロに任せるほうが安心です。
フレームについた傷
車のフレームに傷がついた場合、強度や安全性に関わるため、自分で修理するのは危険です。フレームの損傷は専門的な修理が必要で、誤った修理は車の構造に重大な影響を与える可能性があります。
鉄板が見えるほどの傷
鉄板が見えるほどの傷は、サビや腐食の原因となるため、専門的な修理が必要です。自己修理では適切な防錆処理や塗装ができず、車の耐久性や安全性にも影響するかもしれません。
傷の範囲が広い
傷の範囲が広い場合、塗装の均一性や仕上がりが難しく、専門的な技術や道具が必要です。市販されているような修理アイテムは、そのほとんどが小さな傷の修理を想定しており、自己修理では色ムラや不均一な仕上がりになることが多く、長期的に車の外観に悪影響を与える可能性があります。
塗装剥がれや色の変化がある傷
塗装剥がれや色が変わってしまっているような傷は、色合わせが難しく、自己修理では仕上がりにムラが出てしまう可能性があります。また、下地処理が不十分だとサビや腐食が進行する恐れがあるため、適切かつ早急な補修が必要です。
傷を放置すると車が劣化する
車についたガリ傷を放置しておくと、安全性や車の耐久性、見た目に深刻な影響を及ぼします。
車の塗装は、車体を保護する重要な役割を担っています。傷がつくと、その部分から塗装が剥がれ、金属部分が露出してしまいます。雨水や湿気がその部分に触れることで、鉄がサビやすくなります。
サビは見た目だけでなく車体の構造を弱めるため早期に修理しないと傷が広がってしまい、最悪の場合、車体に穴が開いてしまいます。
また、傷が深い場合は、金属の露出部分がさらに腐食しやすくなります。腐食が進行すると、修理がますます難しくなり、最終的には車体全体に悪影響を与えます。
腐食が進むことで、車のフレームや重要な構造部品にまで悪影響が及び、車両の安全性に深刻なリスクを生むことになります。車体のサビは、車の見た目自体もかなり悪くなってしまいます。
車はその外観が大きな価値に直結するため、傷が目立つままだと中古車市場での価値が下がる可能性が高いです。先述したように、サビは車体の強度が落ちる原因ともなるため、査定に影響を与えることも想定できます。
傷の修理ができる業者の種類と特徴
車のガリ傷の修理を依頼できるのは、ディーラー・板金塗装業者・カーケア用品店・ガソリンスタンドの4つです。それぞれの特徴について解説します。
ディーラー
車の正規販売店であるディーラーで車の傷を修理する場合、メーカー指定の塗料を使うため、色ムラが少なく、新車同様の美しい仕上がりが期待できます。また、メーカー基準の技術を持つ整備士が作業を行うため、修理の品質が高く、安心して任せられます。
一方で、修理費用は街の板金塗装業者などより高めになることが多く、修理期間も長くなる場合があります。特に、繁忙期は予約が必要になることもあります。
カーケア用品店
大手カーケア用品店で車のガリ傷を修理できます。自宅近くに店舗がある場合は非常に手軽で、ディーラーや板金塗装業者に比べてコストも安く済みます。
ただし、短時間で完了するような簡単な傷の修理に限られる場合が多く、大規模な修理は断られてしまうケースも多いため、事前に確認するようにしましょう。
ガソリンスタンド
一部のガソリンスタンドではカーケア専門スタッフが常駐しており、簡単な修理を引き受けてくれる場合があります。その手軽さとスピードは大きなメリットです。給油や洗車のついでに依頼できるため、予約なしで対応してもらえる場合が多く、忙しい人にも便利です。
ただし、浅い傷や小さな塗装剥がれなどの軽微な補修までしか対応していない場合もあり、板金塗装業者に比べると劣るケースもあります。そのため、自社工場を保有しているか高品質な修理に対応できる板金業者と提携しているガソリンスタンドを選ぶことがおすすめです。
板金塗装業者
板金塗装業者は車のガリ傷修理などを専門的に行っているので、仕上がりのクオリティが高いのが特徴です。小さな傷から大きなへこみ、塗装剥がれまで幅広く対応でき、専門の技術を持った職人が板金加工や塗装を行い、美しく高い耐久性で仕上げてくれます。
また、ディーラーに比べて修理費用が比較的安いことが多く、コストを抑えつつ質の高い修理を受けられる点もメリットです。ただし、業者によって技術の差があり、仕上がりのクオリティにばらつきがあるため、評判のよい業者を選ぶことが重要です。
ピッカーズは「安く・早く・キレイに」をモットーに掲げ、部分補修に特化した施工方法と最新の工具・塗料を使用することで、高品質な修理をリーズナブルな価格で提供しています。
さらに、自社工場での一貫作業により中間マージンをカットし、コスト削減を実現しています。徹底したマニュアル化により、均一で高品質な仕上がりをお約束します。無料見積もりや代車のご用意など、お客様の満足度向上に努めています。
傷の修理にかかる費用相場
車の傷修理をディーラー・カー用品店・板金業者に依頼する場合、それぞれ修理代の相場が異なります。ここでは、それぞれの修理代相場を説明します。
ディーラー
カーディーラーで車の傷修理を依頼する際の費用は、傷の程度や部位、車種によって大きく異なります。以下に一般的な費用相場をまとめます。
バンパーのガリ傷の修理代の相場は、10cm以内の小さな傷で15,000〜25,000円程度、20cm以内で25,000〜35,000円程度、20cmを超えるガリ傷の場合は35,000円以上になります。
車体・ドアのガリ傷の場合は、10cm以内の小さな傷で35,000〜45,000円程度、20cm以内で45,000〜55,000円程度、20cmを超えるガリ傷の場合は55,000円以上になります。
傷の状態や国産車と外車などの違いによって、10万円程度になる可能性もあります。
カー用品店
カー用品店に依頼する場合、バンパーのガリ傷の修理代の相場は、10cm以内の小さな傷で10,000〜20,000円程度、20cm以内で20,000〜30,000円程度、20cmを超えるガリ傷の場合は30,000円以上になります。
車体・ドアのガリ傷の場合は、10cm以内の小さな傷で25,000~35,000円程度、20cm以内で35,000〜45,000円程度、20cmを超えるガリ傷の場合は45,000円以上となり、60,000円程度になることもあります。
カー用品店の場合はあまり大きな傷は引き受けてもらえない場合もありますが、ディーラーに比べると安価になります。
ガソリンスタンド
車のガリ傷などの修理ができるガソリンスタンドの場合、修理費用相場は車の傷の大きさによって異なりますので、給油や洗車のついでに、事前に見積もりを取ってみることをおすすめします。
ピッカーズでは、全国に約1400店舗のネットワークを有し、ガソリンスタンドやカー用品店を中心にクルマのキズ・へこみ直しをフランチャイズ展開しております。
料金体系も国産車と外国車に区別し、キズ・へこみの範囲や種類によって明瞭な料金設定となっております。
ピッカーズは、ドアミラーのキズを8,800円で承っております。外国車は、20,900円です。
線キズの場合は、10cm以内の小さな傷で22,000円、20cm以内で28,600円、30cm以内で35,200円と10cm刻みで60cmまでの料金設定をしております。
線キズのほか、えぐれキズやへこみキズについても10cm刻みで料金を設定しています。修理代の目安としてピッカーズの料金表をご確認ください。
※2025年4月1日より、新価格の適用となっております。
まとめ
車についてしまった傷は、軽微なものなら自分で道具を揃えて修理することが可能です。しかし、深い傷や範囲の広い傷、車の走行性能自体に関わってきそうな傷に関しては、専門業者に依頼するのが無難です。
ピッカーズは、全国に約1400店舗のネットワークを有し、ガソリンスタンドやカー用品店を中心にフランチャイズ展開をしており、無料にてお見積りも承っております。
さらに、ピッカーズでは、自社工場にて修理を行うため中間マージンが発生せず、キズ・へこみの範囲や種類に応じて明瞭に料金設定されています。
こだわりの工具や塗料を使用した無駄のない部分補修のため、安く・早く・キレイにお車のキズ・へこみを直します。ぜひお近くのピッカーズ店までお問い合わせください。