板金作業の流れ
線キズとへこみキズ補修の実際の作業工程をご紹介します。
線キズ補修の流れ
1 キズのチェック 
- 補修箇所を確認します。
- 機械でカラー配合データの有無を確認します。
- キズのあるパネルを綺麗に拭きます。
- 同じパネル内の他のキズの有無を確認します。
- キズの深さを確認します。

2 キズの研磨作業 
- 専用ヤスリでキズのある塗膜を研磨し、キズを落とします。
- エアブローしてからキズが落ちていることを確認します。
- ヤスリで研いだ塗膜全体に、専用塗料を塗ります。
- 再度、ヤスリで全体を研ぎ、塗膜のフェザーエッジを整えながら平らに研磨します。
- 下地を塗る範囲を脱脂し、マスキングを行います。

3 下地の塗布/乾燥 
- マスキング内を脱脂します。
- 下地を2回塗布します。
- 下地を塗布した後に、塗布面にゆがみやキズの有無を確認します。
- マスキングを外し、ヒーターで乾燥させます。

4 下地の研磨と足つけ作業 
- 乾燥後はエアブローでパネルを冷却します。
- 隣のパネルやパーツ類をキズ付けないようにマスキングし、水研ぎペーパーで下塗りを平らに研ぎます。
- エアブローで水分を飛ばし、正しく研げていることを確認してから、塗装用の足つけを行います。
- パネル全体をエアブローして水分を飛ばし、塗装の準備に入ります。

5 塗装用マスキング作業 
- 塗装するパネル全体を脱脂します。
- 塗装面以外を塗装用のマスキングを行います。

6 ミッドコート 
-
ぼかし際のなじみを良くする為、カラーベース塗装前にミッドコートを塗装します。
塗装終了後は、軽くヒーターを当てて完全に乾燥させます。

7 塗装作業 カラーベース・クリヤー 
- エアーブローしながら塗装面を軽く拭きます。
- グラデーションになるように塗装して、最後はカラーベースをぼかし、塗装面の余計なミストを拭き取ります。
- カラーベースの塗装範囲を覆いかぶすようにコーティング剤を塗装します。
- 塗装面に接触しているマスキングテープをはがし、5分おいてから、塗装面をヒーターで乾燥します。

8 磨き/洗車作業 
- エアブローで塗装面を冷却し、塗装面以外でキズを付けたくない他のパネルや、パーツ類をマスキングします。
- 塗装面の肌調整を行います。
- 塗装面のごみやブツを取り除きます。
- 専用塗料で研磨目を消します。
- 専用スポンジを使い、塗装面を磨きます。
- 仕上げ用スポンジを使い、塗装面の仕上げ磨きを行います。
- 作業終了後の洗車はしっかり行います。

へこみキズ補修の流れ
1 キズのチェック 
- 補修箇所を確認します。
- 機械でカラー配合データの有無を確認します。
- へこみキズのあるパネルをきれいに拭きます。
- へこみキズ周辺のパネルの張り具合も確認します。

2 板金作業 
- へこんでいる部分を、専用ヤスリで塗膜を剥離します。
- 研磨して金属面を出した部分をエアブローし、脱脂します。
- ハンダゴテとハンダを使い、プレートを付ける部分に予備ハンダ付けを行います。
- 予備ハンダ部分に磁石を使用し、プレートをハンダで溶着させます。
- プレートを引き出しながら、周辺の高い所をハンマーで叩いてへこんだ部分を引き出します。
- プレートを外すために、ハンダゴテで溶着部のハンダを熱してプレートを外します。
- 板金した部分が基準面より低くなっていることを、スケールなどを使って確認します。

3 パテ盛り 
- パテを盛る範囲を確認してから、範囲内を専用ヤスリで塗膜を研磨します。
- エアーブローで研ぎ粉を飛ばし、足付け状態とフェザーエッジの状態を確認します。
- 足付けの範囲を脱脂し、パテを盛る範囲以外にパテが付かないようにマスキングテープを張ります。
- 足付け部分にパテを盛ります。
- パテを盛り終えたらマスキングテープをはがします。
- ヒーターで乾燥させます。

4 パテ研ぎ作業 
- 乾燥終了後、硬化した鈑金パテをエアブローして冷却させます。
- 手研ぎ用裏当てに専用ヤスリを付け、パテを平らに研ぎます。
- パテが平らに研げていることを確認します。
- エアブローして研ぎ粉を飛ばし、専用塗料を塗ります。
- ヤスリで面だしを行い、パテが平らに研げていて、パテのエッジが出来ていることを確認します。
- エアブローして研ぎ粉を飛ばします。
- スプレーパテを塗布する範囲を脱脂します。
- スプレーパテ用のマスキングを行います。

5 スプレーパテの塗布と乾燥 
- マスキング内を脱脂します。
- スプレーパテ3回に分けて塗布します。
- マスキングを外してヒーターで乾燥させます。

6 スプレーパテの研磨 
- 乾燥後はエアブローして冷却します。
- 専用ヤスリで、スプレーパテの淵から淵まで平らに研ぎます。
- 平らに研げていることを手で触って確認します。
- ヤスリで面だしを行い、フェザーエッジを整えます。
- スプレーパテの表面とエッジが正しく研げているかどうかを確認します。
- エアブローして研ぎ粉を飛ばし、プラサフを塗布する範囲を脱脂して、マスキングを行います。
※この後の工程は、「線キズ補修 3.下地の塗布/乾燥」以降と同じです。
