2025.05.15
車の小さなへこみの直し方!自分で直しても大丈夫?

目 次
大切な愛車にできたへこみは、小さくても気になるものです。比較的浅く、範囲の狭いへこみなら「自分で直せるのでは?」と考える方もいるのではないでしょうか。
自宅でできる方法は主に4つあり、それぞれ対応できるケースや難易度が異なります。ただし、方法を誤るとかえって状態が悪化するリスクもあるため、注意が必要です。
そこで本記事では車の小さなへこみの直し方をテーマに、DIYでの具体的な方法と、実はDIYがおすすめできない理由などを解説します。
車の小さなへこみの直し方
車の小さなへこみをセルフ補修する方法は、主に以下の4種類があります。それぞれ、やり方やメリット・デメリットなどを見ていきましょう。
ドライヤーを使った方法
費用を抑えつつ手軽にできるのが、自宅のドライヤーを使う方法です。バンパーなどの樹脂パーツの場合、損傷部に熱を加えて柔らかくし、裏側から手で押し出すようにして形を整えます。素手で触れられないほど熱する必要があるため、作業の際には必ず手袋をはめましょう。
金属パーツの場合は、冷却スプレーも用意してください。まず、ドライヤーを損傷部に当て、充分に熱したらすかさず冷却スプレーを吹きかけます。
金属は熱で膨張して変形しやすくなるうえ、へこみと周辺部分で歪みのバランスが変化します。その状態で一気に冷却すると金属が急激に収縮し、元の形に戻ろうとするのです。一度で直らなかったら、作業を何度か繰り返しましょう。
ハンマーを使った方法
2つめは、へこんだ部分を裏側からハンマーで叩く方法です。コツは優しく叩き、少しずつ元の形に戻していくことです。強く打ち付けると、へこみが悪化したりパーツが歪んだりする可能性があるため、慎重に作業しましょう。
ハンマーは、パーツを傷つけないようゴム製を選ぶのがおすすめです。また、打撃面が狭いハンマーだと力が一点に集中してパーツを破損しやすいため、面が広めのものを選びましょう。
加えて、修理箇所によっては部品の取り外しが必要になります。無理に分解すると部品を破損したり元に戻せなくなったりすることがあるため、知識や工具がない方にとっては難易度の高い修理方法といえます。
パテを使った方法
パテと呼ばれる充填剤で、へこんだ部分を埋める方法もあります。広範囲のへこみや鋭角状のへこみにも対応でき、正しく作業すればきれいな仕上がりになるのがメリットです。
パテ補修には以下6つの道具が必要になります。
・へこみを埋めるためのパテ
・研磨するための耐水サンドペーパー
・脱脂用のシリコンオフ
・研磨仕上げに使うコンパウンド
・塗装下地のプラサフ
・塗料(部品の色)
作業の流れは次のとおりです。
1.サンドペーパーで、補修部分の塗装をはがす。
2.シリコンオフを吹きかけ、タオルで拭く。
3.へこんだ部分にパテを少しずつ盛っていく。
4.パテが乾いたら、サンドペーパーで研磨する。
5.もう一度シリコンオフを吹きかけ、タオルで拭く。
6.補修部位の周りをマスキングする。
7.プラサフを塗装し、乾くのを待つ。
8.サンドペーパー→コンパウンドの順に研磨する。
9.プラサフ面と周囲の段差がなくなったら、再度シリコンオフを吹く。
10.塗料を少しずつ重ね塗りする。
11.塗料が乾いたらコンパウンドやワックスで磨き上げる。
研磨する際は、指でなぞっても段差を感じなくなるまで行います。曲面が自然な形になっているかも注意しましょう。削りすぎたり気泡が入ったりしたら、パテを盛り直し、また研磨を繰り返します。
修理キットを使った方法
車のへこみに使用できる修理キットにはデントリペアがあります。吸盤の力でへこみを表側から引っ張る方法で、修理時に塗装がいらないというメリットがあります。
使用手順は簡単で、吸盤付きの工具を修理箇所に取り付けて引っ張るだけです。製品によっては、吸盤をより強く接着させるためのグルーガンが付属しています。なお、吸盤がくっつきやすくなるよう、へこみ部分を脱脂するためのシリコンオフを別途用意しておきましょう。
注意点として、強く引っ張りすぎて新しいデコボコを作らないようにすることが挙げられます。力加減の様子を見つつ、へこみの中央部分が元の形に近づいているかを確認しながら作業しましょう。
へこみをDIYで直すのは避けるべき理由
実際のところ、小さなものであっても車のへこみをDIYで直すのはおすすめできません。どの方法にもリスクがあり、失敗が事故につながる可能性があるからです。具体的に、どんな理由でDIYを避けるべきなのか、以下に4つ解説します。
洗車していないと失敗しやすいため
洗車や脱脂をしないと、へこみの表面に汚れや油分が残り、補修が失敗する原因になります。汚れや油分が邪魔をして、パテやプラサフ、塗料がうまくパーツとくっつかなくなり、仕上がりのムラや補修後の剥がれ落ちにつながる恐れがあるのです。
また、デントリペアでは吸盤の吸着力が弱まり、へこみを引っ張る力が低下します。そのため、作業前の洗車や脱脂は必須ですが、きちんと洗浄できているかを判断するのは意外と難しいものです。適切にできていなかったせいで、後になって補修の失敗が発覚するケースも少なくありません。
塗装で正確な色味を出しづらいため
車を美しく塗装するには、専門的な技術と設備が必要となります。DIYでは正確な色調合わせや均一な塗りに限界があり、仕上がりが不自然になりやすいです。
特に、経年劣化による色褪せをDIYで再現するのは難しく、補修部分だけが浮いて見えたり、光の角度によって色の違いが目立ったりすることがあります。他にも、塗料の厚みに差が出てムラになったり、部分的に光沢感が異なって見えたりするリスクもあります。
火傷や怪我をする可能性があるため
事故のリスクも無視できません。例えば、ドライヤーで熱されたパーツに触れて火傷をする、ハンマーを誤って指に打ち付ける、デントリペアツールが突然外れた勢いで倒れ込み怪我を負う、パーツの鋭利な部分で指を切る、といったさまざまな事態が想定されます。
また、子どもやペットがいる家庭では、思わぬトラブルが発生する可能性が高まるため、常に細心の注意を払う必要があります。
へこみを悪化させる可能性があるため
力加減や熱の当て方を誤ると、へこみがさらに深くなったり、周辺パーツに歪みが生じたりすることがあります。こうしたミスによって、作業の手間が増えるだけでなく、最悪の場合、自力では修復不能になる可能性もあります。
そうなると、プロに頼む際の費用が当初の数倍に跳ね上がり、数十万円もの出費を要するケースすらあります。一度失敗すると取り返しがつかない可能性があるというのは、DIYの大きなリスクです。
へこみは業者への依頼がおすすめ
リスクを抑えつつ、きれいな元の状態に戻したい方には、やはり専門業者への依頼がおすすめです。専門的な技術と知見を持つプロの手であれば、DIYでは難しい正確な色調合わせや、損傷の部位と深さに応じた適切な修復が可能です。
これにより車の価値を維持しやすく、将来的なコスト削減にもつながります。修理業者にはディーラーや板金塗装業者やガソリンスタンド、カー用品店などがありますが、なかでも給油などで身近な存在のガソリンスタンドやカー用品店に相談することをおすすめします。
へこみの修理は、損傷の度合いにもよりますがプロに任せた方が仕上がりや安心感がDIYよりも確実な選択肢といえます。
まとめ
今回は、車の小さなへこみを直すDIYの方法や、それが必ずしもおすすめできない理由などを解説しました。
ドライヤーやハンマー、パテ、デントリペアキットなどの修理方法は、自宅でできる手軽さが魅力です。しかし、さらなる損傷や怪我などリスクを考えると、DIYではなく業者に依頼する方が、長期的には費用も手間も抑えられる選択といえます。
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