2025.05.15
車の塗装に関する知識!日焼けによる劣化の補修方法は?

目 次
「愛車の塗装が色褪せて、ツヤもなくなってきた…」このような変化を一度見つけると、どうしても気になってしまうものです。「自分で補修できないかな」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論を言うと、DIYでは一時的な対処なら可能ですが、根本的な修復となると難易度が高いため、業者に依頼するのが安心です。
この点について、本記事では塗装劣化の補修方法や、そもそもの原因と対策なども交えながら詳しく解説します。愛車を美しく甦らせるための参考にどうぞ。
車の日焼けによる塗装劣化の補修方法
日焼けによる車の塗装劣化は、主に以下の4つの方法で補修を試みることができます。DIY可能なやり方もあるため、参考にしてみてください。
カラーワックスを使用する
カラーワックスとは、通常のワックス成分に加えて、塗装の色を補う顔料が含まれた製品です。軽度な色あせをカバーしながら、ツヤを与えることができます。特別な知識や工具が不要なため手軽に使える、ワックス効果により撥水性が向上するといった点がメリットです。
【カラーワックスの使い方】
①車をきれいに洗う
・汚れや油分を取り除き、ワックスの定着をよくします
②スポンジやクロスでワックスを塗り込む
・円を描くように優しく塗布し、色ムラが出ないよう均一に伸ばします
③乾燥後、仕上げに拭き上げる
・マイクロファイバークロスなどで、余分な成分を拭き取ります
このように、塗るだけの簡単作業で済ませられます。ただし、カラーワックスはあくまで簡易的な対策です。効果の持続期間は短く、数週間ほどで被膜が剥がれ、雨や日光の当たり方次第ではさらに寿命が短くなります。
また、カラーのレパートリーが少ないため、車によっては合うものが見つからない可能性があります。
コンパウンドを使用する
塗装の色あせが進行している場合や、カラーワックスでは効果が薄い場合には、コンパウンドを使った補修が有効です。コンパウンドとは、塗装の表面を微粒子の研磨剤で削り、劣化した部分を取り除くことで元の状態を復活させるアイテムです。
【コンパウンドの使い方】
①車をきれいに洗う
・砂や埃がついたままだと、磨いた際に余計な傷を付けてしまう可能性があります
②細目のコンパウンドをクロスやスポンジに付ける
・粗目だと塗装を削りすぎる恐れがあるため、初心者の方には細目がおすすめです
③円を描くように優しく磨く
・強くこすりすぎて塗装を傷めないよう注意してください
④極細目のコンパウンドを②とは別のクロスやスポンジに付ける
・コンパウンドが混ざると、本来の効果を発揮できなくなります
⑤③と同じように磨く
・ツヤを出していきます
⑥コンパウンドを拭き取る
・塗装を傷付けないよう、柔らかい布を使ってください
⑦仕上げにワックスやコーティング剤を塗る
・塗装面を保護します
研磨しすぎると塗装が薄くなり、クリア層まで削ってしまいかねません。こうなると再塗装やプロによる補修が必要になるため、慎重に作業しましょう。
コーティングを施す
コーティング剤を塗ると、塗装に保護膜ができて光沢が増し、色あせが目立ちにくくなります。カラーワックスより保護効果が長持ちするものの、色合いそのものは変わらない点に注意が必要です。そのため、基本的にはカラーワックスや研磨と組み合わせるのが効果的です。
【コーティングの手順】
①車をきれいに洗う
・汚れや油分をしっかり落としましょう
②下地処理をする
・カラーワックスや研磨で塗装を整えます
③コーティング剤を塗布する
・少量ずつ、ムラなく均一に伸ばします
④乾燥後に拭き上げる
・指定の時間放置し、乾燥後にクロスで仕上げます
市販のコーティング剤を使えばセルフ施工も可能ですが、仕上がりの美しさは下地処理の精度に左右されます。技術に自信がない場合はプロに依頼すると、より高品質な補修が可能です。
再塗装する
日焼けによる塗装の劣化が著しく、下地が見えている状態などの場合、最も効果的な補修方法は再塗装です。塗装を一からやり直すことで、車の外観を完全に復活させることができます。
ただし、再塗装をDIYで行うのは難易度が高いです。防錆や研磨といった処理も必要で、これらを車の下地へ施すには専門的で高度な技術を要します。したがって、再塗装を検討するのであれば、プロの塗装サービスを利用することをおすすめします。
車の塗装が日焼けする原因と対策
そもそも、どのような仕組みで車の塗装は日焼けしていくのでしょうか。これが分かれば、劣化を抑える手立ても実行しやすくなります。以下に、日焼けの原因と対策を解説します。

塗装が日焼けする原因
車の塗装が日焼けする主な原因は、日光に含まれる紫外線が塗装表面の成分を分解し、色褪せやツヤの低下を引き起こすことです。塗装は通常、紫外線に対する耐性を持っていますが、長時間にわたって紫外線にさらされると、その耐性が限界を超え、劣化が進行します。
したがって、屋外駐車している車ほど日光を多く浴び、紫外線の影響を受けやすいわけです。また、塗装が薄い車や、低品質な塗料を使用した車は紫外線に弱く、日焼けしやすい傾向があります。
さらに、塗装面に油分や水分が付着していると、それが紫外線を反射して塗装の表面にいっそうの負荷をかけ、劣化を加速させることもあります。洗車時の洗い残しなどには注意しましょう。
他の原因として挙げられるのが環境要因です。塩分や酸性雨、鳥の糞、樹液などが塗装に付着すると、これらが化学反応を引き起こし、塗装の劣化を促進してしまいます。
塗装の日焼け対策
日焼けの要因はどうすればガードできるのか、主な方法を2つ紹介します。
カーポートを設置する
カーポートを設置すると、車の塗装を紫外線から守ることができます。とくに、日ごろから長時間屋外に駐車する場合は、紫外線によるダメージが蓄積しやすいため、カーポートの効果は顕著です。雨や鳥の糞なども防げ、塗装を傷める要因をトータルで軽減できます。
また、カーポートは車内の温度上昇も抑えるため、車内のプラスチック部分やシート、ダッシュボードなどが劣化しにくくなります。これにより、車全体の状態を長期間維持できるのです。
カーポートはデザインやサイズ、素材が多様で、住宅の外観やライフスタイル、メンテナンス性などを考慮しながら、自身の細かい希望に合ったものを選べます。設置にはスペースや費用がいりますが、長期にわたって車を美しい状態で維持できる点で有用な対策です。
保護カバーをかける
カーポートよりも安価かつ手軽なのが、保護カバーで車全体を覆う方法です。とくに長期間車を使わない場合は、日光や雨をシャットアウトできる保護カバーの方が効果的です。
保護カバーにはさまざまな種類があり、素材やデザインも多岐にわたります。耐候性に優れたポリエステルやナイロン製のカバーは、紫外線を遮断する効果が高く、長時間の使用にも耐えられます。風の強い日にはカバーが飛ばされることもあるため、しっかりと固定できるタイプを選ぶと安心です。
使う際の注意点は、車が完全に乾いた状態で被せないといけないことです。湿った状態でカバーをかけると、カビや腐食を引き起こすことがあります。また、定期的に外して風通しを確保しないと、カバー内の湿気や汚れが塗装に影響を与える可能性があります。
車の塗装劣化の補修はDIYでできる?
日焼けによる車の色褪せや艶落ちを、DIYで補修できないかと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、劣化の根本的な解決をDIYで行うことは難易度が高く、失敗してしまうと余分な費用がかかるリスクがともないます。
まず、カラーワックスやコーティングのような手軽な方法では、日焼けした塗装の色を一時的に隠すことはできますが、劣化そのものの修復にはなりません。一方、コンパウンドで劣化した層を削れば状態を改善できるものの、研磨の過程で塗装を削りすぎる可能性があります。とくにエッジや曲面部分は、過剰に削ると自力での修復が困難になります。
再塗装となると、防錆処理や研磨、広範囲への均一な塗布といった専門的な技術が不可欠です。DIYではどうしても仕上がりにばらつきが出て、プロのクオリティには届かないことがほとんどです。プロによる施工では、高度な技術と経験を活かして、塗装の状態を見極めながら適切な作業が行われます。
したがって、仕上がりに確実性を求める場合や、塗装劣化が進行している場合には、プロに依頼することをおすすめします。長期的に見ると、DIYよりもコストパフォーマンスがよくなるケースも少なくありません。
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塗装劣化を放置するリスクは?
車の塗装は、単に見た目をよくするだけでなく、車自体を紫外線や雨といった外部環境から保護する重要な役割を担っています。よって、塗装の劣化は、見た目と機能の低下を同時に引き起こすのです。もちろん、補修せず放置すればするほど、影響は拡大していきます。
最も深刻なのはサビの発生です。サビはパーツの強度を下げる他、電気系統や機械部品を腐食し、故障までさせる可能性があります。安全性が損なわれる分、運転中のトラブルのリスクが高まります。
表面的には小さなサビでも、いざ塗装を剥がしたり内部を見たりすると、実はそこらじゅうサビだらけだったというケースは珍しくありません。見た目だけでは侵食の度合いが分かりにくいのは、サビの怖いところです。
次の影響は、再販価値が落ちることです。とりわけ中古車市場では、外観の状態が価格に直結します。塗装が剥がれたり色褪せたりしている車は、買い手にとって魅力が薄く、査定で大きくマイナスになるかもしれないのです。
以上のように、塗装の劣化を放置することは、サビの発生、安全性の損失、車の価値の低下など、さまざまなリスクをともないます。これらの問題を防ぐには早期の対策が重要です。
前述のように、DIYでは対症療法が限界なため、根本的な修復はプロの業者に依頼するのがおすすめです。専門の技術者によって正確な下地処理や防錆対策が施され、結果、長期的に車を良好な状態で保つことができます。
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まとめ
今回は「日焼けによる車の塗装劣化に対処する」というテーマで、修復方法や原因、対策、DIYの難しさなどを解説しました。
見た目だけでなく車そのものの安全性にも関わるため、塗装の劣化は放置できません。カラーワックスやコーティング剤だと手軽にできますが、効果は一時的です。コンパウンドなら劣化そのものを取り除けますが、削りすぎて車体を傷つけるリスクがあります。
そのため、業者に依頼するのが解決への近道です。プロの手に任せれば、リスクの低い確実な補修を実現できます。
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