2025.03.28
縁石に乗り上げてしまったけど大丈夫?具体的な故障や対策を解説

目 次
車の運転をする際、運転手は無事故、そして無違反のために慎重に運転しているでしょう。しかし、どれだけ慎重に運転していても、ひょんなことからトラブルが発生する可能性は否定できません。
今回は、車に発生するトラブルのうち、縁石に車体が乗り上げてしまった時、大丈夫か否か判断するポイント、そして問題が発生した際、どのような判断基準で車両保険を利用するか決定すればよいかについて解説します。車の運転経験が浅い方はもちろん、普段から車の運転をしている方は、ぜひ最後までご覧ください。
縁石に乗り上げてしまったけど大丈夫?
車の運転をしている時に、縁石に乗り上げてしまった経験を持っている方は、決して珍しくないでしょう。縁石に乗り上げたことでパニックになり、慌ててハンドルを操作してしまうと、さらに状況が悪化しかねないため、まずは落ち着いて以下で取り上げるポイントのチェックをしましょう。
車に損傷があった場合
まずは、車に損傷が発生していないか目視で確認してください。チェックする箇所はタイヤやホイール、ボディ、下回りなどが挙げられます。
とくに注意したいのが、タイヤの側面とホイールのリム部分です。この部分に傷がつくと、将来的にパンクやホイールの変形につながりかねません。
走行中にパンクが発生し、ホイールが変形したまま走行すると、ハンドル操作がブレやすくなり、事故のリスクが跳ね上がります。もし目視で確認できるレベルの傷を発見したら、すぐにロードサービスへ連絡しましょう。
なお、ロードサービスを利用しても自動車保険の等級に影響はありません。とくに異常がなければ、周囲の安全を確認したうえで、車体や縁石を傷つけないように脱出しましょう。
ただし、目視では確認できない部分に損傷が発生している可能性も否定できません。念のため専門業者に依頼して、タイヤや車体の下部をしっかりと点検してもらいましょう。
点検のための費用がもったいないと感じる方がいるかもしれませんが、車の運転手、そして乗車する方の安全が最優先です。
こちらの記事では、板金修理の相場について解説しています。費用を抑えるポイントについても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
縁石に損傷があった場合
縁石に車が乗り上げた結果、縁石に損傷が発生した場合、まず警察に連絡しましょう。道路交通法において、交通事故が発生した際、警察に連絡しなければならないと定められています。
連絡を怠ってしまうと、道路交通法違反となり3か月以下の懲役、または5万円以下の罰金に処せられる可能性が高いです。なお、今回のケースは基本的に物損事故として扱われますが、物損事故は速やかに警察へ連絡をすれば違反点数の加算を免れるため、必ず連絡を入れてください。
また、警察へ連絡すると、市役所の道路管理課にも連絡を入れるように指示される場合があります。これは地域によって、縁石をはじめとする道路施設の管理を、市役所や県事務所などが担当しているためです。
警察から指示がなくても、念のため事故が発生したエリアの市役所や県事務所の公式ホームページをチェックし、連絡する必要があるか否か確認してください。
乗り上げた状態で運転するのは危険
縁石に乗り上げてしまうと、慌てて車を動かそうとする方が多いです。しかし、車の下回りを擦ってしまう可能性があるため、縁石に乗り上げた状態で車を運転するのは控えましょう。
車の下回りを擦ってしまうと、ボディを損傷し、その附属物までダメージを受けるかもしれません。もしマフラーに当たっているジョイント部分がずれた場合、排気漏れが発生し、一酸化炭素をはじめとする有毒ガスが車内に侵入し、中毒になる可能性もあります。
また、塗装が剥げてしまい、サビが発生する危険性も高まるでしょう。サビが発生すると、その分車の劣化の進みが早くなります。
その結果、車の強度が失われるのはもちろん、もし走行中にサビによって劣化した部品が故障した場合、深刻な事故につながりかねません。
縁石に乗り上げた時は、まず車のエンジンを停止してください。それから周囲の安全を確認し、ゆっくり後退しながら縁石から車を降ろしましょう。
車の状態を確認する方法
縁石に乗り上げたあと、車にダメージが発生していないかチェックする必要があります。チェックの方法ですが、まず目視で傷の有無を調べてください。
バンパーやサイドスカートの下部など、低い位置の部分は念入りに確認しましょう。また、アライメントのずれも注視してください。アライメントがずれてしまうと、まっすぐ走れなくなったり、カーブをスムーズに曲がれなくなったりします。
目視で問題を確認できなければ、ゆっくりと車を動かし、ハンドルの反応、そして車の動きに問題がないかチェックしましょう。この時、不自然な振動や異音が発生していないかも確認してください。
そして最後に車を停め、地面にオイルや冷却水が漏れ出していないか調べましょう。どこかの工程で明らかな問題が発生し、違和感を抱いた場合は、専門家に依頼して詳しい検査を行ってください。
ピッカーズの板金料金表は、こちらのページからご確認いただけます。板金修理の料金と日数の目安についてもご案内しておりますので、ぜひご覧ください。
縁石に乗り上げた時に聞こえる異音
車が縁石に乗り上げた時、異音が聞こえることがあります。異音が聞こえる原因はさまざまですが、タイヤが縁石にぶつかった、または車体の下部が縁石に摩擦している可能性が高いです。
この時、もしロアアームをはじめとする重要な部分にダメージが発生してしまうと、車の操作の精度が著しく低下します。また、運転中も異音が発生する場合は、すぐに停車してロードサービスに連絡しましょう。
万が一運転中にブレーキが効力を発揮しなくなったり、操作不能になったりすると、深刻な事故につながりかねません。違和感を抱いたら、迷わず車の運転を中止し、専門家に原因を探ってもらいましょう。
異音がなくても目に見える傷がある場合は注意
車が縁石に乗り上げた時、そして縁石から降りて運転した時に異音が発生する場合は、必ず専門家に依頼して車の点検をしてもらいましょう。また、異音がしなくても、目に見える傷がある場合も注意が必要です。
以下では、具体的な故障例と対応について解説するため、順番にみていきましょう。

アライメントがずれる
代表的な故障例の1つが、アライメントの不具合です。アライメントとは、地面に設置しているタイヤの整列具合を意味し、以下の4つの要素で構成されます。
●キャンバー角
●トー角
●キャスター角
●キングピン角
車が安定して真っ直ぐ走れるかは、アライメント次第です。しかし、縁石に乗り上げてしまうと、このアライメントがずれてしまいます。
アライメントがずれたまま走行すると、車が真っ直ぐ走れなくなる以外に、タイヤが偏摩耗するなどのトラブルが発生しかねません。そのため、アライメントのずれを見つけた場合は、すぐに車を安全な場所に停車し、レッカーを呼びましょう。
そして、アライメントの調整は素人では困難なため、必ず専門家に依頼してください。なお、アライメントの調整にかかる時間は、調整箇所によって異なります。
フロント2輪のみであれば30分程度で終了しますが、4輪調整が必要な場合は2時間ほどかかるケースも少なくありません。また、事故を起こしていなくても、車を大切にしたい、安心材料が欲しいという方は、3〜5年に一度の頻度でアライメントの検査をしてもらいましょう。
ブレーキオイルが漏れる
ブレーキオイルの漏れも、縁石に乗り上げたあとに発生しやすいトラブルの1つです。ブレーキオイルとは、一般的な自動車に搭載されている油圧式ブレーキの内部を満たしているオイルのことで、ブレーキフルードとも呼ばれています。
車は、自転車やキックボードと異なり、人力だけでスピードの制御ができない乗り物です。
そのため、油圧によるサポートは欠かせません。万が一ブレーキオイルの漏れが発生すると、油圧が下がるためブレーキが効かなくなり、車のスピードを制御できなくなります。
その結果、重大な事故を招きかねません。また、漏れているブレーキオイルが熱源に触れてしまうと、車両火災にいたる恐れもあります。
そのため、ブレーキが軽くなっている、ブレーキを踏むと異音が聞こえる時は、ブレーキオイルの漏れを警戒してください。ブレーキオイルの交換や漏れの修理は、素人が自力で対処するのは困難なため、整備士をはじめとする専門家に任せましょう。なお、修理にかかる時間は1時間程度です。
タイヤのパンク
縁石から無事に脱出できたとしても、タイヤに問題が発生していないか必ず確認してください。パンクに気が付かず走行を続けると、熱が発生して発火しかねません。
また、ホイールが路面に接触して損傷すると、再使用ができなくなります。タイヤがパンクしているか否かは、ポイントを押さえれば素人でもある程度判別が可能です。
わかりやすいチェックポイントとして、タイヤの潰れ具合が挙げられます。4つのタイヤを比較してみて、高さが低くなっているものがあれば空気が抜けている可能性が高いです。傷がある場合、そこから空気が漏れてしまうため、損傷の有無もチェックしましょう。パンクしている恐れがあると判断したら、走行することは避けて、すぐに車を停めてください。
駐車場がなければ、後続車に注意しながら路肩に停車しましょう。もし安全な場所を確保できたら、応急処置が可能か否か判断します。
自分1人では難しい、または周辺の安全確保が困難な場所に停車した場合はロードサービスにすぐ連絡してください。なお、タイヤのパンクの修理にかかる時間の目安は30分〜1時間ほどです。早ければ、15分程度で終了することもあります。
ピッカーズでは、電話やネットから来店予約を受け付けております。無料でお見積りができるため、お困りの際にはぜひお問い合わせください。
車両保険を使うかの判断
車の運転中に事故が発生した場合、車両保険を使用するか否か判断する必要があります。
車両保険とは、読んで字のごとく事故や災害が発生した時、自分の車の修理費を補償するための保険です。
ただし、車両保険は決して万能な存在ではなく、車両保険が使えないケースや、車両保険を使わない方がお金がかからないケースもあります。以下では、具体的な車両保険が使えないケース、自己負担した方がよいケースについて紹介するため、参考にしてください。
車両保険が使えないケース
車両保険が使用できない代表的な例として、タイヤのみの交換が挙げられます。これは車両保険において、車のタイヤは消耗品として扱われるためです。
ただし、タイヤ以外の部分も損傷しており、交換が必要と判断されれば、タイヤの交換費用も含めて車両保険を使用できます。保険の契約者や被契約者、保険金を受け取る立場の方の故意、または重大な過失によって事故が発生したと判断された時も、車両保険は使えません。
重大な過失の例として、飲酒運転や居眠り運転、無免許運転などが挙げられます。基本的な交通ルールを守りながら運転していれば該当しないものばかりであるため、極度に適用されない可能性を心配する必要はありません。
なお、故障による損害や地震、津波、噴火による被害、飛行機や船舶で輸送中の損害なども車両保険の補償の対象外です。車両保険が使用できないケースをあらかじめ知っておけば、いざという時に慌てずにすむため、自身が加入している車両保険の適用条件をしっかり読み込んで覚えておきましょう。
自費負担のほうがよいケース
事故の内容によっては、自己負担をした方がよいケースもあります。具体的には、修理費用が少額の場合は自己負担がおすすめです。
自己負担がよい理由として、等級の存在が挙げられます。等級とは、保険料の割引や割増の基準となる区分のことです。
1〜20までの20段階が存在し、数字が大きくなるほど保険料は安くなりますが、等級は保険を利用すると下がってしまい、保険料も高くなってしまいます。どの程度下がるかは、保険を利用する事態を招いたトラブルの内容によって異なる点がポイントです。
たとえば、盗難や台風、飛び石による損害は1段階しか下がりません。しかし、電柱にぶつかったり、対向車にぶつかったりした場合、等級は一気に3段階下がってしまいます。
保険を使用したことによって生じる保険料の増額分と、自己負担で修理を行った場合にかかる金額を比較すると、前者の方が高くなるケースは、決して少なくありません。修理費の見積もり、そして保険会社に翌年の保険料を確認して、どちらがお得かしっかり確認しましょう。
まとめ
車が縁石に接触した場合は、必ず問題がないか確認しましょう。もし自力で車の問題点を見つけられなかった場合は、専門家の力を借りるのをおすすめします。
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