2025.01.17
車の塗装前に行う下地処理とは?重要性や方法を解説

目 次
車の下地処理とは、塗装面を均一で滑らかに整える工程のことです。車の塗装を美しく仕上げるためには、丁寧な下地処理が欠かせません。
下地の状態が整っていないと、色ムラや塗料の剥がれといったトラブルが起きやすくなり、せっかくの塗装が台無しになってしまいます。古い塗料や汚れを取り除き、表面を平滑にすることで、新しい塗料がしっかり密着し、長持ちする塗装に仕上がります。
本記事の中では、下地処理の重要性をはじめ、具体的な方法やポイントについて詳しく解説します。はじめて塗装に挑戦する方や、仕上がりにこだわりたい方は、ぜひ参考にしてください。
正しい下地処理を行い、理想的な塗装を実現しましょう。
塗装前に下地処理をする重要性
車の塗装において、下地処理は仕上がりを左右するもっとも重要な工程のひとつです。下地処理を適切に行わないと、塗料がしっかりと密着せず、剥がれやひび割れが発生する可能性があります。
とくに、車は常に日光や雨風にさらされるため、塗装の耐久性が求められます。下地処理が不十分な場合、外的要因による劣化が早まり、美観だけでなく車体そのものの保護機能も低下してしまいます。
具体的には、下地処理では塗装面の汚れや油分、古い塗膜を徹底的に取り除き、表面を滑らかに整えることが求められます。これにより、新しい塗料が均一に定着し、ムラのない仕上がりを実現できます。
また、塗装を重ねる場合も下地処理が不可欠です。古い塗膜の上から直接塗装すると、色が均一に出ないばかりか、剥がれやすくなるためです。
さらに、下地処理にはサビの除去も含まれます。金属部分にサビが残ったまま塗装すると、塗膜の下でサビが進行し、車体の劣化を招く恐れがあります。
日本のように湿度が高い環境では、サビへの対策が重要です。このように、下地処理は車の美観や耐久性、さらには車体の保護において欠かせない作業であるため、しっかりとした下処理が求められます。
こちらの記事では、板金塗装について解説しています。詳しい作業内容や期間・費用の目安も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

DIYで塗装・下地処理をする手順
車の塗装をDIYで行う際、下地処理は仕上がりの品質と耐久性を左右する非常に重要な工程です。下処理が不十分なまま塗装を行うと、塗料が均一に乗らず、剥がれやすくなったり、仕上がりの見た目の美しさに大きく影響を及ぼします。
また、塗装が長持ちしない原因にもなり、再施工が必要になる場合もあります。そのため、塗装を綺麗に行うには、細かい下地処理が欠かせません。
洗車や研磨、脱脂といった工程を丁寧に行うことで、塗料がしっかりと密着する状態を作り上げます。以下に、DIYで下地処理を行う際の各手順を詳しく解説します。
これらを参考に、プロ顔負けの仕上がりを目指しましょう。
手順1:必要なものを用意する
下地処理の作業をスムーズに進めるため、以下の道具と材料を準備しましょう。これらの道具は、ホームセンターやカー用品店で入手可能です。DIYキットとして、下地処理の方法を記載したマニュアルも同封されているため、初心者でも安心です。
カーシャンプー:洗車用の洗剤。まずは車に付着した汚れを落とします。
鉄粉除去剤:ボディに付着した鉄粉を除去するための薬剤。
水垢除去剤:水垢を効果的に除去するための専用クリーナー。
イオンデポジット除去剤:ウォータースポットやシミを除去するための薬剤。
コンパウンド:塗装面の研磨に使用する研磨剤。粗目、中目、細目の3種類を用意すると良いでしょう。
シリコンオフ:脱脂剤。塗装面の油分を除去します。
プラサフ(プライマーサーフェイサー):下地塗料。塗装の密着性を高めます。
耐水ペーパー:研磨用の紙やすり。番手は500番から2000番まで揃えると便利です。
マスキングテープと新聞紙:塗装しない部分を保護するためのマスキングに使用します。
手順2:洗車する
まず、カーシャンプーを使用して車全体を丁寧に洗浄します。その際、ホコリや泥、油汚れなどの表面汚れをしっかりと落とすことが重要です。
汚れが残っていると、後の下地処理や塗装の仕上がりに影響を与え、塗料の密着が不十分になる可能性があります。とくに、塗装を行う部分は入念に洗いましょう。
細かい隙間やモールの周辺も注意深く確認し、汚れを残さないようにします。洗車後は、マイクロファイバータオルなどを使用して、水分を完全に拭き取り、車体をしっかり乾燥させてください。
乾燥が不十分だと、次の工程で水分が邪魔をし、塗装面にトラブルが生じる可能性があります。
手順3:鉄粉を除去する
洗車後、ボディ表面を手で触れてみてザラつきが感じられる場合、鉄粉が付着しています。鉄粉除去剤を使用し、トラップ粘土や専用のスポンジでボディを優しく擦り、鉄粉を取り除きます。
鉄粉を除去することにより、塗装面が滑らかになり、塗料の密着性が向上します。
手順4:水垢を除去する
次に、水垢除去剤を使用してボディの水垢を取り除きます。水垢は放置すると塗装面のくすみや劣化の原因となるため、専用のクリーナーでしっかりと除去しましょう。
スポンジやクロスに除去剤を適量取り、車のボディをやさしく擦ります。
手順5:イオンデポジットを除去する
イオンデポジット(ウォータースポット)は、水滴が蒸発した後に残るミネラル分が原因で発生します。イオンデポジットを放置すると塗装面にシミが残るため、イオンデポジット除去剤を使用して取り除きます。
除去剤をクロスに含ませ、シミの部分を丁寧に拭き取りましょう。
手順6:研磨する
塗装面の小さな傷や凹凸を取り除くため、コンパウンドで研磨を行います。最初に粗目のコンパウンドを使用し、徐々に中目、細目へと移行していきます。
研磨はポリッシャーを使用すると効率的ですが、DIYの場合は手作業でも可能です。塗装面を研磨することにより、塗装面が平滑になり、新しい塗料の密着性が高まります。
手順7:脱脂する
塗装面を研磨後、シリコンオフを使用して塗装面の油分や汚れを除去します。脱脂が不十分だと塗料の密着性が低下し、剥がれの原因となります。
塗装面にシリコンオフをスプレーし、清潔なクロスで丁寧に拭き取ります。
手順8:プラサフを塗る
プラサフ(プライマーサーフェイサー)は、下地と塗料の密着性を高め、塗装面の平滑性を向上させる役割があります。DIYでは、スプレータイプのプラサフを使用し、均一に吹きつけます。
乾燥後、800番から1,000番の耐水ペーパーで軽く研磨し、表面を整えましょう。
手順9:塗装する
ここでようやく、塗装工程となります。スプレーガンやスプレー缶を使用し、塗料を均一に吹きつけます。
一度に厚く塗るのではなく、薄く何度も重ね塗りをすることで、ムラのない美しい仕上がりになります。各層の乾燥時間を守りながら、必要な回数だけ塗り重ねましょう。
手順10:表面の仕上げ作業を行う
塗装が完全に乾燥したら、仕上げの研磨とコーティングを行います。細目のコンパウンドを使用して、塗装面を整えましょう。
さらに塗装後にクリア塗装を行うと、光沢のある艶やかな仕上がりになります。クリア塗装を行う際も、一度に厚く塗るのではなく、数回に分けて薄く塗り重ねましょう。
ピッカーズでは、板金の修理事例を掲載しています。車種や傷の状態、修理日数や値段についても見られます。修理箇所や傷の具合別に絞り込んで確認できるため、あわせてご覧ください。
車の下地処理・塗装は業者に任せるのが確実
車の下地処理や塗装は、仕上がりの美しさだけでなく、耐久性や車体の保護に直結する重要な作業です。費用をかけずにDIYで挑戦するのも魅力的ですが、時間や手間、必要な技術を考慮すると、専門業者に依頼するのが確実で安心な方法といえます。
まず、下地処理は塗装工程の中でもとくに繊細な作業が求められる工程です。ボディの洗浄や鉄粉・水垢の除去、研磨や脱脂といった細かな工程を経て、塗料が均一に定着する状態を作ることができます。
これらの作業を正確に行うには、専門的な知識と経験が不可欠です。専門業者であれば、熟練の技を駆使して、車ごとの最適な方法で下地処理を行ってくれます。
また、塗装に関しても、色ムラや塗料の垂れを防ぎ、美しい仕上がりを実現するには高度な技術が求められます。専門業者であれば、専用の塗装ブースや高品質な塗料、スプレーガンなどの設備を使用するため、DIYでは得られないレベルの仕上がりが期待できます。
新車同様の外観を目指したい場合や、パールホワイトのような特殊な塗装を使用する場合は、専門業者の技術力が必要不可欠となります。さらに、業者に依頼することで保証がつく場合が多いのも大きなメリットです。
塗装後に剥がれやトラブルが生じた場合にも、対応してもらえる安心感があります。一方、DIYでは、ミスがあれば再度自分でやり直す必要があり、結果的に多くの時間と費用がかかることも少なくありません。
コスト面を考えると、手軽なDIYの方が安く済むケースもあります。しかし、仕上がりや長期的な耐久性を考慮すれば、専門業者への依頼がよりコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
こちらの記事では、板金塗装の相場について解説しています。費用を抑えるポイントや修理できる傷の内容も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
塗装・下地処理を依頼できる業者
車の下地処理は、塗装の仕上がりや耐久性を左右する重要な工程であるため、自分で行うのは難しいと感じる場合、専門業者に依頼するのが安心です。以下に、下地処理を依頼できる主な業者と、それぞれの特徴を紹介します。
ご自身の求めるクオリティや、予算と相談しながら業者を選びましょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドの中には、洗車や簡単な磨きだけでなく、本格的に下地処理や塗装も行うサービスを提供している店舗があります。たとえば全国展開しているピッカーズでは、ガソリンスタンド併設の修理サービスも行っており、小さな傷や塗装剥がれを迅速に修理してくれる専門店です。
ピッカーズの最大の魅力は、手軽さとコストパフォーマンスのよさです。全国各地のガソリンスタンドに拠点があるため、通勤や買い物のついでに立ち寄れる手軽さが大きなメリットとなります。
また、塗装には専門スタッフが対応するため、短時間で高品質な仕上がりを実現します。小さな傷や軽微な塗装剥がれであれば、ガソリンスタンドに併設しているピッカーズに相談してみましょう。
ディーラー
新車をメインに販売しているディーラーでも、車の塗装を依頼できます。ディーラーの最大のメリットは、純正部品を使用した高品質な修理が可能な点です。
新車に近い状態を保ちたい方や、メーカー指定の仕上がりを求める方におすすめです。また、ディーラーの技術者は、車種ごとの特性や構造に精通しているため、安心して任せられるのが特徴です。
ただし、費用がやや高額になる場合が多いため、事前に見積もりを確認することをおすすめします。修理工場を併設していない店舗では、外注での作業になるため、修理に時間がかかるケースもあります。
カー用品店
全国でチェーン展開しているカー用品店でも、下地処理や塗装に対応している店舗があります。これらの店舗では、塗装だけでなく、洗車や研磨、脱脂といった細かな下地処理まで対応可能です。
カー用品店のメリットは、車の塗装だけでなく、車体全体のケアやカスタマイズもあわせて依頼できる点です。部品の取り付けをお願いしたい場合など、一度にさまざまな作業を依頼したい方におすすめといえるでしょう。
さらに、店舗によってはキャンペーンや割引が実施されている場合もあり、比較的リーズナブルな価格でサービスを受けられることがあります。
整備工場
整備工場では、下地処理から本格的な塗装作業、車の整備まで一貫して対応してもらえます。整備工場の特徴は、作業の柔軟性と職人の経験豊富な技術力です。
とくに、車体全体にわたる大規模な修理や、特殊な塗装を必要とする場合に適しています。整備工場は、自動車修理の熟練者が多いため、細部まで丁寧に仕上げてもらえるのが魅力です。
また、地域に密着した工場が多く、相談しやすいのもポイントです。車の状態や予算、仕上がりの希望に応じて、最適な業者を選びましょう。
地元に根づいた整備工場を探す場合は、地元の口コミサイトなどで情報収集するとよいでしょう。
ピッカーズでは、電話・ネットで見積もりの予約ができます。ご希望店舗や基本情報を入力すれば来店予約が完了します。あわせてご覧ください。
まとめ
車の下地処理や塗装は、美しい仕上がりと長期的な耐久性を保つために重要な工程となります。DIYや専門業者に依頼する方法がありますが、コストパフォーマンスや手軽さを重視する方にはピッカーズがおすすめです。
ピッカーズは自社工場での対応により、高品質な部分補修が可能で、安く・早く・キレイに修理ができます。さらに、ガソリンスタンド併設のため、給油のついでに気軽に依頼できる利便性も魅力です。
また、全国に1400店舗を展開しており、身近で簡単に利用できる点もピッカーズの強みです。全国ネットワークの安心感とリーズナブルな価格で、美しく丁寧な仕上がりが期待できます。車の傷や塗装の悩みは、ぜひピッカーズにご相談ください。