2025.04.30
車を電柱に擦った!警察に連絡しないリスクや取るべき行動とは

目 次
自動車事故には人身事故と物損事故があり、人身事故でなければ警察や保険会社に連絡する必要はないと思われる方は少なくありません。
しかし、物損事故であっても警察に連絡しないのは大きなリスクがあります。警察へ連絡すれば処罰対象にはならないため、必ず連絡することが重要です。
本記事では、車を電柱に擦った際、警察へ連絡しないリスクを確認したうえで、どのような行動を取るべきかについてお伝えします。物損事故は自動車を運転するすべての人に関係しますので、ぜひ参考にしてください。
電柱に擦ったことを警察に連絡しないリスク
電柱やガードレールといった公共物に車が擦ってしまった場合、もっともやってはいけないのが当て逃げです。人にぶつけたわけではないから問題ないと考えたり、罰金や減点を避けようとして逃げたりすることは、大きなリスクを伴います。
車を電柱に擦った時は、すぐに警察に連絡をして適切に対応すれば、物損事故として処理されます。物損事故として処理された場合、行政責任や刑事責任に問われることはありません。
しかし、連絡をしないと当て逃げとみなされ、安全運転義務違反に当て逃げが加算されて合計7点の違反点数が科されます。処罰対象にならないためにも、警察にはすぐ連絡するのがもっともリスクの少ない行動です。
電柱に擦った時に取るべき行動
処罰対象にはならないとしても、いざ実際に事故を起こしてしまうと慌ててしまい何をすべきかがわからなくなることがあります。ここでは、車を電柱に擦ってしまった際に取るべき行動について、具体的な流れを解説します。

危険防止措置をとる
運転手が事故を起こした際、まず行うべきことは危険防止措置です。周囲にケガをしている人がいないか確認し、万が一発見した場合は救護をします。
また怪我をしていなくても、万が一電柱が倒れてきた場合大ケガにつながるリスクがあるため、安全な場所へ避難するよう伝えましょう。
その後、車を安全な位置まで移動します。ただし、移動できない場合は、その場で発煙筒を焚いたり三角表示板を立てたりして周囲の車が近づかないような措置を取ります。
危険防止措置は、二次災害を防ぐためにも運転手が必ずやるべき義務です。慌てず落ち着いて行ってください。
なお、車を擦った電柱は、警察や保険会社とのやり取りのなかで状況説明をするうえで重要な証拠ともなるため、必ずスマホやカメラを使い状態を記録しておきましょう。
警察に連絡する
危険防止措置を行った後は、速やかに警察に連絡することが重要です。前述したように事故を起こした際、警察に連絡しないと当て逃げとして罰則対象になるため、必ず連絡してください。
警察が到着した際には、事故が発生した時間、場所、ぶつけてしまったものの有無、程度、事故車両の積載物、事故を起こした後に行った措置を伝えます。
飲酒や居眠り運転などの違反を犯していなければ、物損事故として処理されるため、罰則を受けることはありません。危険防止措置同様、焦らず落ち着いて対応しましょう。
保険会社に連絡する
警察対応を終えたら、次は保険会社への連絡です。加入している任意保険の会社へ連絡をしてその後の対応を確認します。保険金は自動で支払われるわけではないため、事故を起こした際は、必ず自分から保険会社へ連絡をしてください。
なお、自賠責保険だけで任意保険に加入していない場合、自賠責保険は基本的に物損事故は補償対象外のため、修理にかかる費用は全額自己負担です。電柱を所有する管理会社が加入する保険会社とのやり取りになるため、自賠責保険に連絡する必要はありません。
物損事故でも当たったものによっては高額な修理費用を請求されるリスクがあるため、任意保険に加入しておくことをおすすめします。
電柱の管理会社に連絡する
電柱の管理会社にも連絡をしましょう。管理会社は、電柱に付けられている電柱番号札に記載されています。
ただし、電柱番号札が付いていない、2枚以上付いているといったケースも少なくありません。また、地域により、上段に付いている方が管理会社である場合もあれば下段に付いている方が管理会社の場合があります。
縦書きや横書きで判断する場合もあるため、わからない場合は警察や保険会社に確認して連絡してもらっても構いません。
事故状況の記録を残す
管理会社に対し、どれだけの賠償額を支払うのかは、事故の状況によって異なります。そのため、事故が発生した際の状態はできる限り形にして記録しておくことが重要です。
車を擦った電柱の状態をカメラで保存しておくと前述しましたが、どのような形で擦ってしまったかもメモしておきましょう。
さらに、対応した警察官や連絡した保険会社の担当者なども記録しておくと後で管理会社との交渉がスムーズに進みます。
人の記憶は曖昧なうえ、事故という特殊な状況下では重要なことを忘れてしまったり、勝手に記憶が改ざんされていたりといったことも起こりがちです。トラブルを起こさないためにもできる限りの情報を記録しておきましょう。
電柱に擦った時の責任と修理費用
普段、電柱の建設費用を考えることはないため、擦ってしまった際にどれぐらいの修理費用がかかるのか、そしてどのような責任を負うのかを判断するのは難しいでしょう。ここでは、電柱の修理費用の相場と責任について解説します。
電柱の修理費用は自己負担
車で電柱を擦ってしまった場合、運転手には修理費用を負担する責任が科せられます。なお、電柱の修理費用には工事費や人件費も含まれ、自賠責保険しか加入していなければ全額運転手の負担です。
また、任意保険でも加入しているタイプによっては、一部運転手の負担になる場合があります。どのような対応になるかは必ず保険会社に確認してください。
電柱の修理費用の目安
電柱の修理にかかる費用の目安は、1本あたり数万円から30万円程度です。電柱の素材や工事内容によって大きく変わります。
また、電柱の修理だけではなく、電線や周辺の設備などの修理も必要になると、部品代や人件費も含め場合によっては100万円以上かかるケースも珍しくありません。
軽く擦っただけのつもりでいても、その衝撃で電線が切断されたり、計器が故障したりする可能性があります。万が一のリスクを避ける意味でも必ず物損事故に対応できる任意保険に入っておきましょう。
電柱に擦った時に適用される保険
任意保険に加入していれば、物損事故であっても補償対象になるものの、加入する保険によっては補償対象外になる可能性があります。
また、電柱の修理代は補償されても、自分の車の修理代は個人負担といったケースもあるため、どの保険が適用されるかを把握しておかなくてはなりません。ここでは、車で電柱を擦った際、電柱の修理代と自身の車に適用される保険の種類について解説します。
対物賠償保険
電柱の修理にかかる費用は対物賠償保険でカバーされます。対物賠償保険とは、事故により相手の財産に損害を与えてしまった際に補償するための保険です。
一般的には家屋や塀などが対象となるものの、電柱やガードレールといった公共物も、相手の財産として補償対象となります。また、ほとんどの任意保険には対物賠償保険がセットになっているため、修理代金は保険金で賄うことが可能です。
ただし、対物賠償保険の多くは限度額が設定されていて、高額な修理代金がかかった場合、一部は本人負担になる可能性もあります。そのため、限度額は必ず確認しておくようにしましょう。
車両保険
物損事故を起こした車の修理にかかる費用は車両保険でカバーされます。任意保険は対人や対物、人身傷害、搭乗者傷害、無保険車傷害などで構成されており、自身の車両を対象とした保険はオプションなのが一般的です。
そのため、任意保険に加入していても車両保険がないために車の修理代金は全額自己負担といったケースも少なくありません。対物賠償保険の限度額を無制限にしておくのと同時に車両保険にも必ず入っておきましょう。
なお、車両保険は大きく一般型とエコノミー型の2つがあり、違いは補償の範囲です。多くの保険会社では、エコノミ―型は電柱への衝突といった自損事故は対象外になります。
そのため、オプションで車両保険を付けていても、車の修理代金は自己負担になる場合もあるため、万が一に備え、自損事故も補償対象となる一般型がおすすめです。
電柱に擦った車を修理できる場所
電柱に擦ってしまった車の修理は、軽微なものであれば自分で行えます。カー用品店でコンパウンドやタッチペンを購入し、傷がついた部分の汚れを落として塗るだけでおおまかな修理は可能です。
ただ、自分で修理した場合、どうしても粗さが目立ち、時間が経つと修理した箇所がすぐにわかるようになります。また、傷だけではなく、えぐれやへこみが生じている場合は、自分で修理することは困難になるため、専門業者に依頼するのがおすすめです。
ここでは、ディーラー、カー用品店、ガソリンスタンド、板金塗装業者、それぞれに依頼した場合のメリットとデメリットを解説します。
ディーラー
ディーラーに依頼するメリットは、修理の質が高いうえ、故障した自動車を扱う正規販売代理店である点です。そのため、最新の車種やあまり出回っていない車種であっても純正パーツを揃えていることで、修理も安心して任せられます。
普段、点検や車検をディーラーに依頼している方であれば、担当者との気心も知れていることもあり、おすすめの依頼先だといえるでしょう。
デメリットとしては、他の方法に比べ費用が高くなるケースが多い点です。また、かすり傷程度の修理の場合、自分たちではなく下請けに修理を回す可能性もあり、できあがりが遅くなってしまう場合もあります。
車を仕事で使っていて、すぐに修理を終えたいといった場合は、ディーラーに依頼する以外の方法がおすすめです。
カー用品店
カー用品店に依頼するメリットは、他の業者と比べて修理費用を抑えられ、かつ短期間で修理が完了する点です。ディーラーの場合、純正のパーツを使って修理しますが、カー用品店はリサイクルパーツも使用するため、取り寄せにかかる時間も短縮され安く早く修理できます。
とにかく早く安く修理をしたい場合や、普段から頻繁に自動車のパーツを購入しにいっている店舗がある方はカー用品店の選択がおすすめです。
デメリットは、複雑な故障には対応していない場合がある点、店舗によりサービスに差が出る可能性がある点です。電柱に擦った傷が軽微なものであれば問題ないものの、えぐれやへこみがひどい場合は他の方法を選択したほうがよいでしょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドに依頼するメリットは、他の専門業者に比べ店舗数が多い点、軽微な修理であれば安く早く仕上げられる点です。かすり傷程度であれば、ガソリンを入れにいったついでに修理の相談をして、混み具合によってはそのまま修理してもらえます。
自宅のすぐそばに修理も行っているガソリンスタンドがある、できるだけ簡単に修理を済ませたいといった方におすすめの方法です。
デメリットとしては、カー用品店同様、複雑な修理には対応していない場合があることです。板金修理専門業者と提携しているなど、技術面で安心できるガソリンスタンドを選ぶのがおすすめです。
板金塗装業者
板金塗装業者に依頼するメリットは、価格を安く抑えられる点です。ディーラーが下請けに修理を依頼する場合の多くは板金塗装業者であるケースが多く、ディーラーを間に入れない分、修理費用も安く抑えられます。
また、技術力が高い業者も多く、ディーラーにパーツ交換をすすめられた場合でも、パーツ交換を避けて対応してくれるケースが多いのも価格が安くなる理由のひとつです。
板金塗装業者に修理を依頼したことがある、技術力が高いと評判の板金塗装業者を知っているといった場合におすすめします。
デメリットは、技術力が低いと仕上がりがよくない可能性がある点、混み具合によっては納車までに時間がかかる場合がある点です。過去の修理事例をチェックするほか、ワンストップ修理を実施しておりスピーディに対応できる業者か確認しましょう。
こちらの記事では、板金修理(板金塗装)の相場について解説しています。費用を抑えるポイントについても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
車を電柱に擦ったら、逃げるのがもっとも悪手です。すぐに警察に連絡するようにしてください。物損事故として処理されれば、行政責任や刑事責任に問われることもありません。しかし、連絡をせずに逃げてしまうと当て逃げと判断され罰則が科せられます。
行政責任や刑事責任に問われることはないものの、電柱の修理代金は負担しなければなりません。車の修理については、自損事故にも対応した車両保険の一般型に加入することをおすすめします。
ピッカーズでは、全国約1400店舗のネットワークを有し、ガソリンスタンドやカー用品店を中心にフランチャイズ展開をしています。確かな技術力と豊富な実績をもとに早く・安く・キレイにおクルマのキズやへこみを直します。身近な修理の相談窓口としていつでもお気軽にご相談いただけることも強みです。
車の修理でお悩みの際はぜひ、ピッカーズにご相談ください。